2025年4月から軽貨物運送事業者に義務化された「貨物軽自動車安全管理者講習」。この記事では、誰が対象なのか、どんな内容なのか、そしてどう受講すればいいのかをわかりやすく解説します。
貨物軽自動車安全管理者講習とは何か？
新制度のポイントを押さえたこの記事と併せて、実際に「安全管理者講習」を受講したドライバーの体験談動画もチェックしましょう。講習内容や所感をリアルに知ることで、義務化された講習に対する具体的なイメージが湧き、不安の解消や準備の参考になるはずです。
「貨物軽自動車安全管理者講習」とは、軽貨物運送事業者（いわゆる軽バンや軽トラックでの宅配・運送業）を対象とした安全教育講習です。近年、ネット通販の拡大で個人事業主の軽貨物ドライバーが増え、安全対策の重要性が高まっていました。この講習は安全運行に必要な知識（法規、事故防止策、健康管理など）を学ぶ場で、事業者の安全意識向上を図ることが目的です。
2025年4月の制度改正で何が変わる？
2025年4月1日以降、貨物軽自動車運送事業者には本講習の受講が義務化されました。従来は任意だった安全講習が法律によって必須化された点が大きな変更点です。「義務か任意か分からない」という疑問もありますが、この改正により法律上の義務となっています。講習を修了していないと事業許可の維持が難しくなる可能性もあり、該当事業者は注意が必要です。
誰が受講しなければならないのか？
すべての貨物軽自動車運送事業者が対象です。法人・個人を問わず、黒ナンバーの軽自動車で貨物運送事業を営む場合は該当します。個人事業主1人で開業している場合も例外ではありません。事業規模の大小に関わらず、安全管理者講習の受講が求められます。つまり、ドライバーが自分一人だけのケースでも、自身が「安全管理者」となって講習を受ける必要があります。「自分も対象か？」という点については、軽貨物運送の届け出をしている以上必ず対象と考えてください。
義務化の根拠となる法律・通達
この講習の義務化は、貨物自動車運送事業法の改正によって定められました。具体的には同法の第36条の2 第1項第1号の規定に基づき、「所定の貨物軽自動車安全管理者講習を修了」することが義務付けられています。また、この法律改正を受けた国土交通省の省令や通達によって詳細が定められました。国土交通省から各地方運輸局宛に出された通達では、対象範囲や講習実施方法などが明示されています。法律と併せて省令・通達で実務面が補足されており、法律→省令→通達の順で義務化の根拠と具体策が示されています。
2025年4月1日以前からの開業者への猶予措置は？
今回の義務化に際し、既に施行日前から事業を営んでいる方への経過措置（猶予期間）が設けられています。施行日である2025年4月1日時点で軽貨物運送事業を行っていた事業者は、直ちに違反とならないよう一定の猶予期間内に講習を受講すればよいとされています。具体的な期限は国土交通省の通知で案内されていますが、施行後すぐに受講できなくても、所定の期限までに修了していればOKという措置です。したがって、既存の事業者の方も猶予に安心せず、早めに講習日程を確認して計画的に受講しましょう。
多くの軽貨物ドライバーにとって 初めての法定講習 となるため、各地で講習会が開催されています。
個人ドライバーであっても、安全管理者としての責任が課され、講習受講が必須 になりました。
安全運転のプロとして、知識をアップデートする良い機会 と言えるでしょう。
講習の開催主体と受講方法
講習は独立行政法人 自動車事故対策機構（NASVA）などが中心となって開催しています。各都道府県のNASVA支部や運輸支局が講習会を実施し、事業者はそこに申し込み受講します。受講方法の一般的な流れは次のとおりです：
- 日程の確認：NASVAの公式サイトや各運輸局の案内で講習開催日程・会場を確認します。地域ごとに定期的に開催されており、予約制です。
- 受講申込：Webもしくは電話・窓口で事前に申込みます。氏名や事業者名、連絡先などを登録し、受講日を予約します。講習には受講料が必要で、数千円程度の費用を事前払い（振込等）する場合が多いです。
- 講習受講：当日は指定された会場で講習を受けます。講習時間は半日〜1日程度で、資料を用いた講義形式です。安全運転の知識や事故防止策について学びます。またオンラインで受講することも可能です。
- 修了証の交付：講習終了後、修了証明書が交付されます。この修了証が義務履行の証拠となりますので、大切に保管します。新規開業の場合は運輸局への届け出時などに提示を求められることもあります。
講習内容は、交通安全に関する法令知識、日々の車両点検方法、事故や違反例の紹介、安全運行の計画の立て方、健康管理の重要性など多岐にわたります。普段何気なく行っている運行の中にも危険を予防するポイントがあることを再認識でき、有意義との声が多いです。
株式会社Groの受講体験と安全への取り組み
私たち株式会社Groも、この安全管理者講習を実際に受講しました。講習では最新の安全運行ノウハウを学び、日頃の業務にすぐ活かせる知識を得ることができました。例えば、ヒヤリハット（ヒヤッとした・ハッとした体験）の共有や長時間運転時の休憩取り方など、現場目線の具体的なアドバイスが印象的でした。講習修了後には、修了証明書もいただき、社内で安全管理者として登録を済ませています。
Groでは、「安全第一」をモットーに社内体制を整えています。今回の講習受講を通じて得た知識をドライバーに共有し、定期ミーティングで安全意識の向上に努めています。また、新人ドライバーにも講習内容を踏まえた研修を行い、組織全体で法令順守と事故防止に取り組んでいます。お客様の大切な荷物を安全・確実に届けるため、そして何よりドライバー自身の命を守るために、今後も積極的に安全対策に努めてまいります。
まとめ：正しい理解と早めの準備を
2025年4月から始まった貨物軽自動車安全管理者講習の義務化について、その概要とポイントを解説しました。軽貨物業界で働く全ての人に関わる重要な制度ですので、該当する方は制度を正しく理解し、早めに講習を受けるようにしましょう。義務だから仕方なく…ではなく、自らの安全スキルを高める機会と捉えることが大切です。講習を通じて得た知識や意識は、日々の業務できっと役立つはずです。安全あってのビジネス継続ですので、今後開業を考えている方も含め、余裕をもって準備しておきましょう。わからない点は国土交通省やNASVAに問い合わせることもできます。正しい情報に基づき、安心・安全な軽貨物運送ビジネスを展開してください。
