K-LINKとは?軽貨物DXを加速する公式アプリ完全ガイド【2025年版】

2025年4月の法改正によって、軽貨物ドライバーには新たな安全対策義務が課されました。ITが苦手な方にとって、日々の点呼や記録作業の負担増加は大きな不安ですよね。そんな悩みを解決すべく生まれたのがK-LINKです。これは全国軽貨物協会(全軽協)が公式に提供する軽貨物事業者向けアプリで、2025年の法改正に対応した運行管理DXツールとして注目を集めています。本記事では、K-LINKの背景や主要機能、導入方法を一次情報に基づきやさしく解説します。

1. K-LINK誕生の背景と2025年法改正

近年の宅配需要増加に伴い、個人事業主が多数参入する軽貨物業界が急成長しています。その一方で事故件数も増加傾向にあり、国土交通省の調査では事業用軽貨物車の重大事故件数が2017〜2021年で約4割増加しています。こうした状況を受け、貨物軽自動車運送事業に関わる法令改正が2025年4月1日に施行されました。主な改正ポイントは次のとおりです:

  • 貨物軽自動車安全管理者の選任と定期講習の義務化(軽貨物事業者ごとに安全管理責任者を置く)
  • 運転者への指導監督強化(初任運転者教育や違反・事故時の特別指導の実施)
  • 日常点検と乗務前・後の点呼の徹底(アルコールチェックを含む点呼記録を作成・1年間保存)
  • 運行記録(業務日報)の作成・保存義務(運行の開始終了時刻や走行距離等を記録)
  • 事故記録・報告体制の強化(重大事故は所定の自動車事故報告書を運輸支局へ提出)

これら新制度に個人事業主が対応するのは簡単ではありません。実際、従来の軽貨物事業者には運行管理者資格は不要だったため、「何をどう記録すれば法令遵守になるのか分からない」という声も多く聞かれます。そこで全国軽貨物協会は、業界の健全化と法令遵守を支援するために公式アプリ「K-LINK」を開発しました。同協会のリリースによれば、K-LINKは「国土交通省が指定する点検・点呼・日報作成に対応したアプリ」として2024年に公開され、2025年4月の法改正に合わせ本格展開されたものです。個人事業主でも直感的に使えるよう設計されており、法令遵守に必要な記録業務を一元化してくれます。

2. K-LINKの5つの主要機能

K-LINKは軽貨物ドライバーの日常業務を支える様々な機能を搭載しています。主な5つの機能を順に見てみましょう。

  • 日常点検の記録機能 – 毎日の車両点検結果をスマホで簡単に入力・保存できます。紙の点検簿を提出する代わりに、チェック項目に沿って記録することで法定の「日常点検簿」を自動作成します。
  • 点呼(乗務前・乗務後)の記録機能 – アプリ上で運行前後の安全点呼を実施し、体調やアルコール検知結果、指示事項などを記録します。点呼簿はデジタルで管理され、記録漏れや改ざん防止に役立ちます。アルコール数値自体は現在入力不要ですが、将来的にBluetooth連携で自動取得できるアップデートも検討中です。
  • 日報(業務記録)作成機能 – 運行開始・終了時刻、走行距離、休憩時間などを入力すれば業務日報を自動生成します。勤務時間の累計管理も可能で、月間・年間の稼働時間超過が一目で把握できます。これにより、自身でも労働時間を意識して無理のない受注調整ができます。
  • 事故報告書作成機能 – 万一事故が起きた際には、アプリ内のガイドに沿って必要事項を入力するだけで所定の事故報告書を作成できます。作成した報告書はクラウド上に保存され、必要に応じて印刷も可能です。公式資料では、報告書の様式に沿った項目入力により簡単に「自動車事故報告書」が準備できると案内されています。
  • LINE連携機能 – ドライバーに馴染み深いLINEとも連携しており、K-LINKの公式LINEアカウントを友だち追加すれば、LINE上からK-LINKにログインしたりチャットで問い合わせしたりできます。普段使いのアプリからアクセスできるので、ITに不慣れな方でも導入・運用しやすくなっています(ログイン用URLの送付やQ&A対応などを自動応答する仕組み)。


K-LINKのスマートフォン画面。日常点検や乗務前後の点呼など、法令で求められる運行前後の確認事項をメニュー形式で分かりやすく表示。初めてでも迷わず入力できるよう設計されています。

これらの機能により、点検・点呼・日報作成をアプリ一つで完結できるため、記録業務の手間が大幅に軽減されます。例えば、乗務後はアプリに走行データを入力するだけで日報が完成し、そのまま保存されます。紙帳票のファイリングや手書きの手間が省けるうえ、クラウド上にデータが蓄積されるので紛失の心配もありません。LINE連携によってログインも簡単で、使い方に困ったときはチャットで質問できる安心感も嬉しいポイントです。


K-LINKの「日報報告」および「事故報告」画面。日報の提出状況や事故報告の入力項目が一覧化されており、必要事項を埋めることで所定の帳票を自動生成できる。クラウド上にデータ保存されるため、必要に応じて印刷や共有も可能。

3. 国交省や大手企業が注目する理由

K-LINKは現場のドライバーだけでなく、行政機関や大手荷主企業からも注目されています。その理由の一つが、法令遵守のプラットフォームとしての公共性です。全国軽貨物協会によって運営されるK-LINKは、国土交通省が指定する様式に準拠しており、信頼性の高いデータ基盤となっています。実際、同協会が国交省や大手運送事業者と設置した「適正化推進会議」での議論を経て策定された業界ロードマップの一環としてK-LINKは開発されており、業界横断的な課題解決ツールとして位置付けられています。

さらに2025年4月には、荷主企業や元請け事業者向けの「CLO機能」がK-LINK上で新たに公開されました。CLO機能とは、企業側の管理画面を通じて委託ドライバーの運行状況(稼働時間、免許・健康診断の有効状況、安全運転管理状況など)を一覧管理できる機能です。これにより、元請け企業はサプライチェーン全体のコンプライアンスチェックが可能となり、偽装請負の防止や長時間労働の是正につながると期待されています。特に複数の企業・プラットフォームに所属して働く個人ドライバーが増える中、業界団体が運営する中立的なシステムで情報を共有できる意義は大きいでしょう。

国土交通省が進める安全対策強化の流れもあり、行政と業界が一体となって適正化を後押しするツールとしてK-LINKは注目されています。大手物流企業にとっても、自社の委託ドライバーがK-LINKを使うことで法令違反リスクの低減輸送品質の向上が見込めるため、業界内での導入促進の動きが加速しています。

4. K-LINKデモ体験:30分触ってみた第一印象

筆者も実際にK-LINKのデモ環境を約30分ほど試用してみました。まず感じたのは、画面レイアウトがシンプルで分かりやすいことです。トップ画面に「日常点検」「点呼」「業務報告」「日報」「事故報告」と主要メニューが大きなボタンで配置されており、やるべきことが一目瞭然でした。操作手順も直感的で、各入力フォームには例示やガイドテキストがあるため、ITツールに不慣れな方でも戸惑う場面は少ないと感じます。

実際に日常点検と点呼の入力を行ってみると、所要時間は合わせて数分程度でした。チェック項目は選択式や数値入力が中心で、紙の様式をそのままスマホ画面に置き換えたようなイメージです。特に便利だと感じたのは、入力ミスや漏れを防ぐ工夫です。必須項目が未入力の場合は登録更新をすることができず、完了後には「業務前点呼✔️」「業務後点呼✔️」とステータス表示されるため、自分の作業漏れをすぐ確認できます。

一方で、現時点ではスマホアプリ(ネイティブアプリ)ではなくWebブラウザで動作する仕様のため、通信環境が不安定な場所では多少時間がかかる可能性もありそうです(今後、専用アプリ版の提供も予定されています)。また、デモ利用の範囲ではデータ蓄積による分析機能などは試せませんでした。例えば「過去◯ヶ月の点呼履歴をグラフ表示」といった高度な機能は現段階では見当たりませんでしたが、公式には「今後のアップデートで拡充予定」とされています。

総じて、「必要十分な機能に絞った実用本位のツール」という印象です。派手な演出や過度な自動化よりも、「誰でも迷わず使えること」「記録を残しておくこと」を重視しているように感じられました。法定帳票のデジタル化が30分のデモでもスムーズに体験できたことから、少なくとも日々の事務負担軽減には大いに寄与しそうだと感じました。

5. K-LINK導入までの3ステップと費用

K-LINKの導入手順はシンプルです。以下の3ステップで誰でも始められます。

  1. 申し込み(アカウント発行) – まずは全軽協の公式サイト上の「今すぐ申し込む」フォームから必要事項を送信します。既存の全軽協会員でなくても利用申請が可能で、担当者より折り返し登録手続きの案内があります(公式LINEから申し込みリンクを受け取ることもできます)。
  2. 初期設定(事業者・車両情報登録) – 案内に従い、自社の事業所情報やドライバー情報、車両ナンバーなどをK-LINKシステム上で登録します。あわせて利用規約への同意や、管理者(安全管理者)アカウントの設定を行います。設定方法が分からない場合はLINEチャットでサポートを受けることも可能です。
  3. 利用開始(記録の入力) – アカウントが発行され初期設定が完了したら、スマートフォンやPCからK-LINKにログインして利用開始できます。日々の点検・点呼・日報を業務の流れに組み込み、紙の帳簿と並行して運用を試してみると良いでしょう。入力データはリアルタイムでクラウド保存されるため、複数人で利用する場合も逐次共有されます。

利用料金は月額1,000円(税別)/ドライバー1人です。例えばドライバーが5人在籍する事業者であれば月額5,000円(税別)となります。請求書払いで、毎月末締め・翌月末支払いという形が基本です(年間一括払いにも対応)。初期費用やシステム導入費用はかからず、必要なのはインターネット接続できるスマホまたはPCと、法令で義務化されたアルコール検知器のみです。

現在のところK-LINKの登録者向けに説明会や操作研修会も開催されており(オンライン参加可)、導入後のフォロー体制も整えられています。もし「ちゃんと使いこなせるか不安…」という場合でも、全軽協によるサポートやQ&A集がありますので安心です。特に公式LINEアカウントから気軽に問い合わせできる点は、導入ハードルを下げる大きな要因と言えるでしょう。

6. よくある質問(FAQ)

最後に、K-LINKに関してドライバーから寄せられることの多い質問とその回答を紹介します。

Q1. K-LINKを利用すれば、今回の法改正への対応はすべて網羅できますか?
A1. 法令で義務付けられた帳票作成業務(点検簿・点呼記録簿・日報・事故報告書)はK-LINKでほぼ網羅されています。公式FAQでも「帳票関連は網羅されています」と案内されており、K-LINKを導入することで基本的な記録業務はカバー可能です。ただし、安全管理者講習の受講やドライバー適性診断など、外部機関で行う必要がある項目は別途対応が必要です。

Q2. K-LINKの利用料金はいくらですか?
A2. 前述のとおりドライバー1人あたり月額1,000円(税別)です。例えば運転者が2名なら月額2,000円程度となります。利用開始にあたって初期費用や登録料は不要で、必要なのは通信環境とスマホなどの端末だけです。

Q3. 日々の運行記録を全部入力すると、労働時間の超過がバレてしまいませんか?
A3. はい、その通りです。 K-LINKに正確に入力すれば、法定の運行時間を超過した場合にその事実が明らかになります。ただ、これはドライバーの安全と法令順守のために重要なことです。K-LINK上では月間・年間の累積稼働時間が確認できるため、「あと何時間働けるか」を自分で把握できる利点もあります。結果的に無理な長時間労働を防ぎ、健康維持にもつながるでしょう。

Q4. 事故が起きた場合、K-LINKで報告書を提出できますか?
A4. K-LINKには事故報告書作成機能があり、発生日時や場所、状況などを入力すると所定の「自動車事故報告書」が作成されます。ただし、実際の提出(届出)は別途必要です。作成した報告書はPDF等で出力し、所轄の運輸支局等へ提出します。K-LINKは書類作成と保存をサポートするツールと捉え、提出手続き自体は従来どおり行ってください。

Q5. K-LINKはLINEからも使えますか?
A5. はい、使えます。 K-LINKの公式LINEアカウントを追加すれば、LINE上のメニューからワンタップでログイン画面を開いたり、チャットで問い合わせを送信できます。普段LINEを使っている方なら、わざわざアプリを探さなくても済むので便利です。ログイン情報の通知もLINE経由で受け取れるため、「IDやパスワードが分からなくなった」といった場合もスムーズに再案内を受けられます。

Q6. 既にK-LINKを使っている人は多いのでしょうか?
A6. 全軽協の発表によれば、既に多数のユーザーがK-LINKを活用し始めています。 2025年春の本格展開時点で全国の軽貨物ドライバーへの周知が進められており、協会主催の説明会にも多くの事業者が参加しています。今後さらに利用者が増え、業界標準ツールとして定着していく見込みです。同業者の間でも「法改正対応にはK-LINKが手軽で良い」という口コミが広がりつつあるようです。

以上、K-LINKの概要と活用ポイントについて解説しました。法改正で新たに求められる安全管理業務も、適切なツールを使えば決して難しくありません。「ちょっと難しそう…」と敬遠せずに、一度デモや説明会で触れてみることをおすすめします。業務効率化と法令遵守を両立できるK-LINKを活用し、安心・安全な軽貨物事業運営にぜひお役立てください。

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